50代の暮らし

認知症の親へ語りかける、魔法の言葉

「ぼけ」は「認知症」という言葉になってから、イメージが変わったせいか認知症の本や講演、ネットでの情報が多くなりました。どんな病気か、どんな症状かはなんとなく知識がついてきたと思うのですが、実際、自分の親が認知症になった時にどんな言葉で対応するべきなのかは知られていません。

昨年他界した私の実母が認知症でした。今思い起こせば、事前にどんな言葉を用意するべきだったか知っていたら、自分も、母も、もう少しラストランを適切に過ごせたかもしれません。今回はあなたの親が認知症になったら...こう言えば気が楽になる魔法の言葉を探すヒントになればと思っています。

認知症の物忘れ


認知症になると、昨日食べたもの、旅行へ行ったこと、買い物をしたもの、お金を借りたことがところどころ記憶からすっぽ抜けてしまいます。
本人もなんとなく物忘れが多くて気にし始める時期に「この程度は、普通思い出せないわよね」と確認したがります。健常者は初期でも重度になっても、相手の言葉を否定しないようにしましょう。

否定すると相手に「病気なんだ、酷い物忘れなんだ」とストレスを与えてしまい、混乱させてしまいますし、自分も訂正することによって悲観的になってしまうのです。

食べ物に対しての言葉かけ

何を食べたのか分らないという場面はよくあることです。「昨日は焼魚を食べたじゃない!もう忘れたの?」ではなく、「あー、私もなかなか思い出せないけど、焼魚だったかも、ねぇ?」と自分も思い出せないふりをしながらメニューのヒントを出してみましょう。思い出さなくても全く構わないのです。

そういえば、魚どんなのが好きだっけ?」「キンメダイは甘辛く煮たのがおいしいよねー!」と会話をつなげていくことが大事なのです。

買い物に対しての言葉かけ

同じものを10個も20個も繰り返し買ってくることがあります。その時は「幾つも買ってきて困るわ!もう買ってきてはダメよ!」と怒ったり、言い聞かせるのではなく、「人に迷惑をかけることではないので、このくらいは大丈夫!」と自分に向かって言ってみてください。気が楽になりますよ。

我が家はコンビニでお握りと氷砂糖が大量に買ってきました。氷砂糖は、自宅で梅酒を作っていたので、自分で作ろうと思ったのかもしれませんね。「私がもらってもいい?美味しい梅酒を作りたいの!」と言うと喜んで袋に入れてくれました。

同じ会話を何回もする

認知症になると、比較的若いころの思い出は覚えていると言われています。そして自分の子供も顔はふけているのに、自分の家族・身内の顔はいつまでも覚えているのです。

こちらは顔もそれなりにふけているのに、いつまでも小さな子供だと思っているらしいのです。「明日は小学校の運動会だっけ、お弁当を作らなきゃね!」とか、主人とお見舞いに行くと「この方どなた?えぇ!あなた結婚したの?」など、驚きの発言がありました。

あくまでも例ですが、「明日は運動会だっけ、お弁当を作らなきゃね!」には、「お母さんに作ってほしいけど、今度はお姉さんが作ってくれるんだって!」「楽しみにしてるわー、可愛いたこウィンナーを作ってね♡」等と対応していました。母親も「たこウィンナーね」と笑っていたのです。こうした会話の10分後には内容を忘れているので、実現するしないに拘らず、気にしないで話を合わせて、楽しい時間にしてください。認知症は物忘れだけなので、ウェットに富んだ話は十分できるのです。

なぜか「結婚しているの?」は結構頻繁に聞かれました。
そうなのー、この間結婚したばかりよー!」、「この人とずーと前に結婚したのよ、これからよろしくね!」。横にいた主人は言葉も出ず驚いていたようですが、最初は誰もが驚いて話が続きません。

確実に言える事は「記憶を否定しないこと、会話を折らないこと」が「両者とも疲れない秘訣」ではないでしょうか。

あっちこっち歩く徘徊


外出先で今どこにいるのかわからなくなり、道に迷う見当障害からくる徘徊。悩みの種ですが家の中に閉じ込めて置くこともできず、かといって24時間一緒にもいられません。認知症で行方不明になる人もいます。もしかして介護が嫌になり捜索依頼を出さないのかもしれません。

我が家の対策は、持ち物に住所と電話番号をつけることでした。徘徊して帰れなくなって警察から何度も電話がきて迎えに行ったなどは珍しい話ではありませんでした。そういう場面に遭遇したら、「お疲れ様、疲れたでしょう、早く寝てね」と言ってあげてください。本人も迷子になったことがショックなのですよ。

認知症の症状は止まらない

認知症の進行を進ませないようにする、というのは実際は難しいものがあると思います。それは介護1程度の「ちょっと、変な症状があるのでは?」と感じる程度の人への対応だと私は考えます。

早期に進行を止めようとするディケア。体操や習い事などは、人と交流するので脳を活性化するため効果があると思います。しかし「そんな子供っぽいことできるか!」という気持ちを持つ人も少なくはありません。母がそのタイプでした。したがって、何もしないまま認知症を進行させる人は少なくなく、結構進行が早くなるというのが実感としてあります。

だからこそ、「本人と介護者が穏やかに過ごすための言葉選び」は、非常に重要になってくると思います。

どうぞ、皆さん、認知症の介護をするようになった場合は、嫌なことは避けるのではなく、楽しくまではいかないけれど、気が楽なる自分なりの魔法の言葉を捜してみてください!

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矢藤りりか
矢藤りりか
DINKS街道まっしぐらの人生を歩んでいるアラ還です。根はアホですが、OL歴が30年オーバーなのでアホを隠す方法を身につけました! 『定年後の最高の人生を送る為の4K』の記事によると、4Kは『経済力、健康、家族、生き甲斐』だそうです。ここでは皆さんの生き甲斐や解決のヒントとして手助けになる記事を書いていきたいと思います。